MY HERO’S INTERVIEW

GUEST プロフィール
橋本秀昭・ひろみご夫妻
1989年ご結婚。今年27歳になる息子さんがいる。
橋本秀昭さん 1961年 埼玉県生まれ。本郷高校卒。大学浪人中、スタントマンへの道へ。その傍らホテルニューオータニ館内にあるコーヒー専門店を任され、コーヒーを極める。現在2店舗のスペインバルオーナーで先駆者。
橋本ひろみさん1961年 東京生まれ。戸板女子短期大学卒業後OLを経て結婚。

FRANKSTON 中野区中野5-56-11 電話03-3386-2018
welfun Café 渋谷区西原3-24-12 電話03-3460-3018


私の心の拠り所。スペインバルの先駆者であるセニョールこと、橋本さんと奥様のひろみさんはとても温かくて素敵な御夫婦。私のテンションを見ながら選んで出してくださるシェリーは絶品。肝臓の薬と聞いてからは尚更愛飲するようになりました。大好きなイベリコ豚の生ハムにピンチョス、魚介もこだわりのお野菜もEstá rica!シメはチャルメラかパエリア。元気をくれるこのお店はパワースポットそのものです。

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NO.4 夫婦のアイデンティティ

立河:セニョールがそんなにも真っ直ぐで強くいられるのはどうして?

橋本:コーヒーが好きだった親父に俺はほとんど怒られたことがないくらい、ものすごく優しい人だったんだけど、俺が3歳の頃、入院したことがあってね。親父が心配して泣いている姿を見てさ、子供ながらに俺は強くなって、この人たちを一生守っていこうって心に誓ったの。

立河:「家族を守る」っていう気持ちがそんな小さな頃から芽生えてたんだ。そんなセニョールも優しいね。

橋本:ずっとスポーツはしていて鉄棒や跳び箱が得意だったんだけど、高校が本郷高校でスポーツ全般に強い学校だったからラグビーをやりたかったんだ。けど、部活の休みが年に3日しかないって聞いてやめたの。(笑)

立河:あはははは!

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橋本:それで格闘技全盛の時代だったから空手道場を探してたら高校の隣の駅に新しくてきれいなボクシングジムができたので、すぐに入会して、そこからボクシングを始めたんだ。

立河:それでますます体を鍛えて行ったのね。体を鍛えるってことは精神も鍛えられて強くなるもの。だからセニョールは家族や大切な人を守れるんだね。 さて、こうしていつも強くて元気なセニョール。その秘訣を教えて?

橋本:俺ね、以前と違うのはスペインに行って何の感銘受けたかというと、スペインの人たちって、仕事が第一じゃないんですよ。1分も残業しない。休憩時間になればすぐにいなくなる、なぜか?それは自分の時間を大事にしているんだ。

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立河:ヨーロッパ文化の仕事ぶりは確かに日本人からするとびっくりするね。

橋本:と、思うでしょう。でもそれは家族や自分の友達のためなんですよ。一番大切なものは“人”。その生き方に俺は感銘を受けたんだ。俺も人との付き合いを一番大切に生きたいと思ってる。ただ、嫌いな人とは付き合いません。(笑)

立河:私も。(笑)

橋本:ここを最初にオープンした時に、一生懸命人を癒そうとしました。だから人の悩みや愚痴も一生懸命聞きました。でも、気づきました。俺は、人を癒すタイプの人間じゃないんだ。スペインに行って気付いたんだ。俺は、常に元気で“人に元気を与える人間”にならなくてはいけない、と。

立河:それが結果、私たちにとっての癒しに繋がりますよね。セニョールらしい人の癒し方を見つけたんだね。

橋本:そう。だから高校時代から続けている好きなボクシングを必ず週に3日以上は行きます。それよりも少ないと足りない。やっぱり人にパワーを与えられる人間になるためには体が疲れていてはダメ。体を動かして、汗をかいてそして俺が元気な顔で元気に喋れてそして相手に元気を与えてあげられる生き方をしなくちゃならないなと。

立河:そうね。セニョールが元気じゃないと楽しくない。

橋本:だから好きな酒を飲む。仕事も好き。好きなことだから休みたいと思わない。毎日、今日は嫌だな、という日はない。一つでも嫌なことをやったら、その日がつまらなくなる。だから嫌いな人とは付き合わない。嫌な人がいると黙るんだ。(笑)そういう時はできるだけひろみさんにお願いしちゃう。(笑)この人そういうの得意だから。

立河:あははは。確かにそうだよね、ひろみさんは誰とでも分け隔てなく付き合えるよね。それはおおらかだからかな?

橋本:右から左に流せるからね。

ひろみ:おおらかなのか鈍感なのか、あんまりこの人が嫌だと思うことが、私には嫌には感じないの。(笑)人と話すのが好きだし、家で疲れていてもお店に来てお客さんと話してるとすごく元気になるの。

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立河:役割があって、ご夫婦のバランスがいいですよね。こうしてお話を聞かせてもらうと、セニョールとひろみさんの二人はとても深い絆で結ばれていて、ちゃんとした意味があって一緒にいるんだって感じるね。

ひろみ:今、自分達でも、あぁ、そういうことだったんだって改めて思ってる。(笑)

立河:ひろみさんはセニョールに対して大事にしてることってある?

ひろみ:私はね、一人では絶対に生きていけないタイプなの。誰か頼れる人がいないと。それがこの人なんだよね。すごく頼れるの。やっぱりそばにいてくれないと私はダメになっちゃうと思うから、いてくれるのが有難い。この人は私のことをちゃんと見ていて考えてくれるの。

橋本:いつでも見てるぞ。

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立河:素敵だなぁ。こんなご夫婦だからこのお店は居心地がいいの。それではご夫婦のアイデンティティを聞かせて?

ひろみ:うーん。私のアイデンティティってなんだろう?

橋本:家族や人でしょう。大切にしてるものは。

ひろみ:そっか。

立河:さすがご主人!夫婦愛を感じる。

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橋本:そうだよ。あなたは自分には何もないって言ってるけど友達との約束は絶対に守る。どんなに忙しくても断らないで約束を守るんだよ。そして絶対に裏切らない。だから無理をすることがあるから時々具合が悪くなるの。俺は忙しいと断っちゃうけどね。(笑)

ひろみ:だって自分が行きたいんだもん。(笑)

橋本:行きたいんだよな。お前はなぁ。人が好きなんだよ。

ひろみ:そう。人が好きなの。

橋本:だから人を一番大切にするってことなんですよ。

立河:よく見てるよね。家族、夫婦っていいなって思う。これも結婚してから、ただ時が過ぎたんじゃなく夫婦二人で築いてきた形なんだよね。

橋本:この人(ひろみさん)がいないと大変なの。俺の足りないところを全部補ってくれるの。だから常にこの人のことを考え、大切にしていかないといけない。この人が輝いていれば俺も助かるわけだから。それが俺のアイデンティティかな。

立河:本当に素敵!グラシアス!!橋本ご夫妻のアイデンティティは“人と家族”。とても羨ましいです。素敵なお話ありがとうございました。


Special thanks,,END


Thank you messege from Noriko Tachikawa

セニョール&ひろみさん
一人で食事をするのが苦手な私が行ける数少ないお店の中の一つ。気負わずカジュアルにお邪魔できて、セニョールが選んで出してくれるシェリーは酔い方も軽やかだからお店を出る頃にはとっても楽しい気分で翌日も爽快。ひろみさんの明るくほがらかな笑い声が聞こえてくると今日もお店はいい雰囲気に包まれてるなと感じます。これからも憩いの場として楽しい時間を過ごさせてくださいね。いつもありがとう。


取材/文 タチカワ ノリコ
Photo Kaoru Yamamoto

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次回は、新しいゲストをお迎えいたします。お楽しみに!

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