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MY HERO’S INTERVIEW

第3回目のゲストは、有限会社マロンブランド代表の栗山圭介さん。クリエイティヴディレクターとして幅広い人脈を持ち活躍する傍ら、今年3月、現存する伝説の居酒屋を軸に、店主のおやじ(故人)とそこに関わる人々の人生ドラマを筆者の感性で綴った小説『居酒屋ふじ』を出版。栗山氏とは20年来の親交のある立河さんは、“華やかでありながら、裏方として沢山の人たちを引き立てて世に送り出しているスペシャリスト”と彼を称する。今回はそんな二人の出会いのいきさつから、人づきあい、本、酒、恋、そしてアイデンティティと、深くて熱い対談が実現しました。

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Vol.1『群れない男、引きずらない女』

立河宜子(以下、立河):今日はよろしくお願いします。

栗山圭介(以下、栗山):楽しみにしていたよ。

立河:さて、早速ですが、私たちの出会いは、1992年?

栗山:そう、僕が『POPEYE』っていう雑誌でライターをしていた時だね。なにせこの愛嬌だから「芸能・スポーツ」みたいなことを担当させてもらってて。それで当時タレントだった宜子を初めて取材することになって銀座に来てもらったんだ。その晩に飲んだんだよ。

立河:えっ、その晩でした? でもなんで食事に行くことになったんだっけ?

栗山:今でもよく覚えているけど、あの時、仕事終わってから「メシでも食いに行きましょう。どうせ東京のどっかでメシ食うんだったら、ここでどう?」って。だいたいオレはそういうやり口なんだよ、昔から(笑)

立河:そういうやり口ね(笑)

栗山:で、木挽町の料亭みたいなところで、宜子んとこのマネ−ジャーとか、担当編集とか何人かいたけど最初から結構飲んだ(笑)! どっぷり飲んで、またそこから次へ流れたわけ。

立河:あ〜、そうだった、六本木のバーに行った。あれが最初だったんだ、チャンクリ(栗山さんの呼び名)と飲んだの!流石、記憶力いいですね。私は記憶喪失みたいなところが多分にあるから、チャンクリの方が絶対よく覚えている。

栗山:最初からへべれけ。出会ってすぐ深飲み友だちで親友の域。もちろん宜子のことは最初からいい女だと思っていたけど、でもその外見に違わぬ何かを持ってないと、オレは深追いしない。和気あいあいしながらもハートにビュッと矢を刺す、カンフーで言うと酔拳みたいなものを宜子は見せてくれたから、今でも付き合ってられるんだよ。あれから20何年だよ。

立河:そんなに経つのよね。でもずっと繋がってる。

栗山:自分の生き方がそうなんだけど、群れないの、オレは。群衆に属さないってのが、自分の距離の取り方。当時の宜子は売れっ子だったけど、芸能人だからって、無理やり距離を縮めようとはしなかった。岐阜の田舎の生まれで、そういう華やかな部分に憧れて東京へ出て来たんだけど……これ見よがしに仲良くべったりってのはイヤなの。皆な“ザッツ業界人”みたいなノリで距離を縮めようとするけど、そういうやつら横目で見ながらサーッ冷めてた。よくいるじゃん、どこそこの有名な企業の名刺持ってバッチ付けて、それを外したら「あんた誰?」っていうやつら。そういうのがみっともないと思うようになってね。だから肩書きや職業には頼らない。べたべたしないけど余韻は残す。ノリは軽いがコクがある。健康タバコみたいな男が身上です。

立河:私も群れないな。チャンクリはそういう距離感の取り方はうまいですよね。

栗山:距離感の取り方っていうか、見つけ方だね。オレね、人づきあいのルールは、スポーツに近いと思ってる。強弱とか、緩急とか、バランスとか、リズム感とか、タイミングとか、ここは守るべきとか、攻め入るべきとか。相手、味方問わず、そこには必ず距離がうまれる。そうしてスポーツに置き換えるとものすごく人との関連性がわかるんだよね。オレ体育の先生になりかったってのもあるんだろうな。。

立河:そうなの?体育の先生になりたかったの?

栗山:本当は東京に来られれば何でもよかったんだけど。

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立河:でも、永ちゃん(矢沢永吉)に会いたかったって言ってたよね?

栗山:そうだよ、それが理由だよ。永ちゃんは東京にしかいないから(爆) 
オレたちの世代は「なるように成る」っていう世代よ。どこの大学に行きたいってくらいの思いはあっても、何かになろうなんて、そんな志のある高校生はいなかった。オレは体育に自信があったから、体育と東京。それで国士舘になった。

立河:そうだったんだ。じゃあ今はこういうエディターとかマスコミ系の仕事をしているけど、これから第二の人生は体育の先生?

栗山:いや、ある意味、体育の先生やってるようなもんよ。なんだかんだ、”人生とはー!” とか”青春とはー!”みたいなことずっとやってる。それに、求めたわけじゃないけど、誰もがオレのこと“アニキ”って言うじゃない。アニキってのは先輩を求める男のロマンの縮図だと思うんだよね。アニキを求めなくなったら青春終わり。オレには本当の兄はいるけど、“アニキ”と呼べる人はいなかった。なぜかと言うとオレはキャラが目立ち過ぎて、声をかけてくれる先輩から遠ざかっていった。ガキの頃からやんちゃで、スポーツもできて、ルックスもそこそこで(笑)、いつもワーーーーッとやってる。最初は目立つ後輩を連れてご満悦な先輩がしだいに嫉妬するという図式。だからオレは先輩難民だったんだよ。自我は出したい、主張はしたいけど、出しすぎると妬まれるから自分を抑制する。そういう中で距離感っていうのを覚えたんだろうな。ただね、そこで足を引っ張る人を相手にしてもしょうがないなって、十代くらいで達観したの。「きっと永ちゃんはそうしてたんじゃないかな〜」と自分の気持ちに重ねたりして。

立河:チャンクリにとって、永ちゃんはアニキ?

栗山:永ちゃんは、ボスですね。群れの親分ではなくて、アニキの存在にも似たボス。それまで「永ちゃん」「ヤザワ」って呼んでいたのが、お会いする機会をいただいてからは「ボス」。そう呼べるのが最高に幸せなんだよ。

立河:チャンクリって、絶対に人のこと悪く言わないもんね。

栗山:悪口言うのに、飽きたんだよ(爆)

立河:いやいやいや、あなたは昔から悪口は言わない。

栗山:確かに好きじゃないね。誰かを引きずり下ろすことに興味はない。むしろ、目立たないやつを檜舞台に上げるような、プロデューサー的なことは昔っからしていた。裏方としての面白みとか、目立たないやつを人気者にさせる悦びを知ってからは、裏の世界で存在感を出せればいいと思うようになった。

立河:本当は表に行きたかった?

栗山:俺にとっては裏こそが「表」でもある。ユーミンに言われた。「あなたは裏方のアイドルだから。それは、表よりも凄いことだから」って。

立河:ユーミンって流石ですよね。いいこと言いますね。

栗山:ありがたいよね。あの人はオレにとってアニキであり姉貴だよ。まあ、そういう方の話はともかくとして。宜子は依存性がないところがいいんだよね。

立河:そうかな?私は弱いと思っているよ、自分では。弱音も吐くし。

栗山:でも自分で違うと思ったことに対してはスパッと切り捨てるじゃん。引きずることがよくないのは解っていても、実行することはキビシいでしょ。特に芸能界なんて一度入ると。でも宜子にはそこに未練がない。そういうところは自分に厳しいよね。厳しさの先には余計厳しいことが待っているんだけど、そこにあえて飛び込むのは男気があるっていうか、スパンと断ち切って、ちゃんと修行したってところが偉いね。

立河:ありがとう、そんな風に見ていてくれてたんだ。確かに前の仕事に限らず生きてると色々なことがあるし、悩んだり弱気になったりもするんだけど、何かが降臨してきてスパッと切り捨てたときの私は最強かも。(笑)

栗山:修行の先には希望があるってことを、宜子は実体験で掴んだ。諦めずに頑張ったっていう証明だよ。

立河:そういう評価をしてくれていたんだね。私は新たな路を歩むことが嬉しくて、ただ目の前のことに一生懸命取り組んだだけ。深くも考えてなかったよ。

栗山:それでいいんだよ、考えすぎたら打算になるから。よくピンチはチャンスとか、失敗は成功の元とか言うじゃない? でもさ、そういう変換は誰でも出来るってことは伝えたい。例えば、何かやって100点だったらハイタッチして乾杯して終わりだけど、99点だったら何が1点足りなかったっていう話になるじゃない?

立河:うん、そうね。

栗山:それで次の日また99点とっても、その99点は、前日の99点とは違うんだよ。前日の課題をクリアしているんだけど、また新たな99点が生まれるのが、人生の醍醐味だってこと。

立河:いいこと言ってるな〜〜〜

栗山:いやいや。あ、その話はね、この『居酒屋ふじ』の中で、「お前の芝居の今日の出来は何点だ」って件で書いているんだけどさ。

立河:ああ、あったね! そうそう、この本はどういう思いで書いたの?

取材/文 野水優子

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